冬休み初日の午後、美術部の活動があると聞いて、南館の7階まで散歩してきました。
窓の外の雄大な富士山に見守られながら、真剣な表情で自分の作品と向き合う生徒たち。
ぶつからないように気を付けながら、部屋の中を歩き回って作品を見せてもらうと・・・
画用紙にアクリル絵の具で描いている部員もいれば、キャンバスを立てて油彩画を描く部員、タブレットで画像を見ながら鉛筆デッサンをする部員もいます。
ボンドを塗った木の棒に麻ひもを巻いている彼女は、平面作品の中で手だけを立体的に表現するために、粘土の芯材づくりをしているそうです。
描き方も人によってまちまちで、筆を立ててそっと色を置くようにしてみたり、イーゼルが揺れるほどの勢いで力強く筆を操ってみたり。
キャンバスの大きさも特に制限はないらしく、規格外のサイズで描いた作品でも、選考の条件に合った展示会を探して出品しているのだとか。
顧問の先生いわく、美術部には「自分の作品が飾られている展示会に行くのも気が引ける」という、やや控えめな生徒たちが集まっているとのこと。
なるほどなぁと思って聞いていると、そこへ突然もちかけられた、「先生、クレヨンありませんか?作品づくりに使いたいんです!」という申し出。
いそいそと準備室の在庫を探しに行く姿から、自分の世界観を追求する意志や、ここぞというときの積極性も垣間見られた瞬間でした。
過去には石膏やワイヤーを使っての作品づくりに挑戦した部員もいたそうです。
懐かしの画材から他ではなかなか扱えない素材まで、探せばたいていのものが見つかる美術室。
彼らにとってのこの場所は、可能性に溢れた宝の部屋なのかもしれませんね。
言葉にならないそのワクワク感が、真っ白な空間にどんな色で表現されていくのか、部員たちのこれからが楽しみです。
(文・写真/企画広報部)