平成28年度 東京都総体予選報告

≪結果≫

ベスト8決定戦  vs都小平 ○20-8(ベスト8進出!)

ベスト4決定戦  vs明星  ×22-47


「真っ向勝負」


昨年度覇者・明星をホームに迎え、本校ハンドボール部が選んだ作戦はまさに真っ向勝負でした。



6月11日(土)に新宿スポーツセンターで行われた都小平とのベスト8決定戦後、翌12日(日)に行われる明星戦を見据え、念入りなミーティングが行われました。相手はあの「明星」。いかに考えたとしても、相手に分があるのは誰もがわかっていました。「走り合ったら勝つ可能性は限りなく低い...。でも、自分たちは走ることしかできない...。」全員がそういう思いだったのではないでしょうか。でも、そんなチームの迷いや不安を払拭したのは、やはり3年生たちの勇気と決断でした。

主将の千葉君が語りかけます。

「みんなの不安な気持ちはわかる。相手はあの明星。でも、試合をするのはホーム・大成高校体育館。俺たちの汗と涙が込められたあの体育館で試合をする限り、きっと神様は見方をしてくれるはず。3年間やってきたことを信じよう。3年間やってきたことを明星にぶつけよう」

戦術は決まりました。「真っ向勝負」。生徒たちは走ることを選択したのです。

迎えた6月12日(日)。本校体育館には本校ハンドボール部の背中を押すが如く、大応援団が詰めかけます。サッカー部を始め、普段から一緒に切磋琢磨し合う部活動の仲間たち。クラスの友人、先生、保護者の方々。体育館は完全ホームの雰囲気に包まれ、試合のホイッスルが鳴りました。



先手を取ったのは明星。本校選手のミスを見逃さず、次々と速攻を繰り出す中、本校は防戦に回ります。1-6と5点差が離れたところで、たまらずタイムアウト。しかし、明星の流れを断ち切ることができません。前半は防戦一方に回り、12-27で折り返します。15点差...。厳しい点差がつけられてもなお、本校ハンドボール部は諦めません。





「もう一度、必ず流れが来る。その時まで我慢しよう。走りきろう。」


後半、最後の力を振り絞るように本校ハンドボール部は走ります。しかし、そこは王者・明星。一度掴んだ流れは手放しません。じわじわと点差を離され、気づけばラスト5分。点差はすでに20点差がついていました。それでもなお、果敢に1対1を挑み、明星ゴールに迫る本校ハンドボール部に詰めかけた観客からも懸命な応援が響きます。「60分間はあっという間だった...。」やりきった60分間でした。

「明星は本当に強かったです。でも、悔いはありません。ベスト8シードも後輩たちに残せました。3年間走り切った仲間たちを誇りに思います。」

主将の千葉君は試合後、そう語ってくれました。


「僕たちの叶えられなかった夢は後輩たちが叶えてくれるはずです。」


威風堂々。3年生たちは今その「冒険」を終え、胸を張り、コートを去りました。