今年も夏合宿の時期がやってきました。
朝早く学校に集合し、向かった先は昨年もお世話になった長野県の宿泊所。
山道を越えて降り立った現地の涼しさで合宿の始まりを実感した部員は、みな気合いの入った様子で初日の練習に取り組んでいました。
そして一晩明け、2日目はあいにくの雨予報。
屋根をたたく雨粒の音をBGMに練習が進みましたが、弓道部ならではの役職「お天気係」の祈りのおかげか、途中で少し雨が止む場面も。
1日目の雨予報をはねのけた18代目の彼の名前には「晴」の字があり、先輩きってのご指名で担った大役に、皆の期待がかかりました。
3日目は曇り空の過ごしやすい気温。
この日が誕生日だった2年生の男子部員は、4射全てを的中させて「バースデー初皆中」を果たし、道場がどよめきに包まれました。
さらに、1年生の射初めも3日目までで18人全員が終了。
ペアの1年生の面倒を見つつ、その合間に自分の練習もこなす2年生の姿は、もう立派に「先輩」の背中でした。
4日目の部内戦では一緒に袴を着て的に並ぶことができ、先輩・後輩ともに嬉しそうでした。
なお、この部内戦中にも男子の副部長が初めての皆中を出し、退場したあとで泣き崩れていました。
進級して後輩を育てる喜びを知った一方で、先輩としての責任を感じ、自分が結果を出せないことへの焦りもあった様子。
いつも皆を笑顔にしてくれるお茶目な彼の重圧を感じ、前日に皆中したばかりの部員をはじめ、周囲も思わず涙目になりました。
最終日は大掃除と移動を残すのみなので、この日の夜はBBQで皆の頑張りをねぎらい合いました。
お楽しみの花火が終わると傘が役立たぬほどの大雨に見舞われましたが、翌朝の荷造りや大掃除では気持ちのいい晴れ。
持てる力を加減して大事なところで「晴」パワーを発揮するお天気係の仕事ぶりに皆で感心し、笑顔で長野をあとにしました。
自主的にお風呂の入り方をまとめた連絡をし、1年生が書いた反省に激励のスタンプを押す先輩がいれば、廊下での声量を注意しあい、何も言われずとも靴を揃えて道場に入る後輩。
明るくて元気な18代目と、真面目で一生懸命な19代目の歯車がかみ合い、合宿を通して確かな絆がはぐくまれたように見えました。
また、4泊5日の合宿中、東京から駆け付けた校長先生をはじめ、OB・OGの先輩方もたくさん顔を出してくれました。
連日の差し入れや宿の方が作ってくださる温かいご飯を前に、さまざまな人に支えられて弓道ができていることを、再認識する機会になったようです。
今後の練習でも、この感覚を忘れずに過ごしていってほしいですね。
これからの彼らの活躍も、どうぞお楽しみに!